個人事業主補助金・助成金の種類と受給できる制度を一覧で解説

- 個人事業主は補助金も助成金も対象になり、原則として返済不要です。
- 小規模事業者持続化補助金の通常枠は上限50万円、補助率は原則2/3です。
- IT導入補助金は上限5万円〜450万円、補助率1/2〜4/5で案内されています。
- 補助金は審査があり通らないこともあるが、助成金は要件を満たせば受給できます。
- 公募型の補助金は常時受付ではなく、募集回ごとに締切が違います。
個人事業主補助金の結論

個人事業主が使える代表的な補助金は、小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金・ものづくり補助金の3つです。
私は補助金支援を12年やってきましたが、相談に来る個人事業主の多くが「法人じゃないから無理」と思い込んでいます。そんなことはありません。
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化の取組を支援する制度で、通常枠の上限は50万円、補助率は原則2/3です。チラシ作成やホームページ制作、店舗改装などに使えます。
正直に言うと、ひとり事業者ならまず狙うべきは持続化補助金とIT導入補助金です。設備投資が大きいならものづくり補助金。この3つを押さえれば十分です。
助成金・補助金・給付金・支援金について
これらはすべて公的な資金支援ですが、もらえる条件と難易度が違います。

ざっくり言うと、助成金は要件を満たせばもらえる、補助金は審査に通った人だけがもらえる。この違いが一番大事です。
| 種類 | 主な目的 | 受給のしやすさ |
|---|---|---|
| 助成金 | 雇用・労働環境の改善 | 要件を満たせば受給 |
| 補助金 | 設備投資・販路開拓など | 審査に通った事業者のみ |
| 給付金・支援金 | 災害・休業などの緊急支援 | 対象に該当すれば受給 |
給付金や支援金は、休業や災害といった非常時に「事業を止めないため」に配られるお金です。常時あるものではありません。
助成金とは
助成金とは、要件を満たせば原則として受給できる、返済不要の公的支援です。
主に厚生労働省が所管し、人を雇う・働きやすい環境を整えるといった取組に対して支払われます。
補助金と違って「審査で落ちる」という性質が薄いのが特徴です。要件をきちんと満たし、書類を整えれば、原則として受け取れます。
ただし手続きは地味に重い。実施計画の作成・届出から始まり、就業規則の整備や労働条件の記録など、日々の労務管理が前提になります。ここでつまずく個人事業主を私は何人も見てきました。
補助金とは

補助金とは、事業計画を審査し、採択された事業者だけが受給できる返済不要の支援です。
経済産業省や中小企業庁が所管するものが多く、設備投資や新しい事業への挑戦を後押しします。
気をつけたいのは、公募型の補助金は年度内でも募集回ごとに締切が違うこと。常時受付ではありません。申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。
そしてもう一つ。補助金は原則後払いです。先に費用を払い、報告書を出して、あとから補助分が振り込まれる。資金繰りの設計を間違えると、採択されても苦しくなります。
給付金・支援金とは
給付金・支援金とは、休業や災害など非常時に事業の継続を支えるために支給される返済不要のお金です。

住居確保給付金のように、生活基盤を守るための制度もこの仲間に入ります。
補助金や助成金との違いは「平常時の投資」ではなく「緊急時の下支え」という点です。常に募集があるわけではなく、社会情勢に応じて時限的に設けられます。
だからこそ、いざというときのために「どこが情報を出すか」だけは把握しておくと動きが速くなります。お住まいの自治体と国の公式サイト、この2つを見る癖をつけておけば十分です。
個人事業主が受給できる「助成金」 一覧
個人事業主が使える助成金の多くは、厚生労働省系の「雇用」に関わるものです。
つまり、人を雇っている、あるいはこれから雇う個人事業主が中心になります。代表的なものを表にまとめました。
| 助成金名 | ねらい |
|---|---|
| キャリアアップ助成金 | 非正規雇用者の正社員化・処遇改善 |
| 業務改善助成金 | 設備投資による賃金引き上げ |
| 人材開発支援助成金 | 従業員の教育訓練 |
| 雇用調整助成金 | 景気変動時の雇用維持 |
| 両立支援等助成金 | 育児・介護と仕事の両立支援 |
| トライアル雇用助成金 | 就職困難者の試行雇用 |
| 特定求職者雇用開発助成金 | 高齢者・障害者等の雇用 |
| 地域雇用開発助成金 | 雇用機会の少ない地域での雇い入れ |
このうち雇用調整助成金は、助成上限額が1人1日あたり8,870円と案内されています(2025年8月1日時点の記載)。
正直、ひとりで事業をしていて従業員がいない段階では、助成金より補助金のほうが現実的です。助成金は「雇用したあと」に効いてくる選択肢だと考えてください。
キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、パートや契約社員などの非正規雇用者を正社員化したり、待遇を改善したときに受け取れる助成金です。
従業員を雇い、その人を正社員に登用する予定がある個人事業主に向いています。
受給には、就業規則などに正社員転換の規定を整え、実際に転換した実績を示す必要があります。手続きの前提として、日頃の労務管理がきちんとしていることが求められる制度です。
私の経験では、書類の不備より「制度を整える前に登用してしまった」という順序の間違いで落ちるケースが多い。先に計画、それから実行です。
業務改善助成金
業務改善助成金は、設備投資をして事業場内の最低賃金を引き上げた場合に、その費用の一部が助成される制度です。

賃上げと設備投資をセットで考えている個人事業主に向いています。
たとえば厨房機器やレジを新しくして作業効率を上げ、その分従業員の時給を上げる。こうした取組が対象になります。
賃上げが「前提条件」になっている点が他の助成金との大きな違いです。賃金を上げる体力があるかどうか、ここを冷静に見てから申請を検討してください。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、従業員に職業訓練や研修を受けさせた費用や、その間の賃金の一部を助成する制度です。
スキルを底上げして事業を伸ばしたい個人事業主が活用できます。
対象になる訓練の種類や助成額は細かく区分されているため、計画段階で要件を確認することが欠かせません。研修を受けさせてから「対象外でした」では遅いのです。
雇用調整助成金

雇用調整助成金は、景気の悪化などで事業を縮小せざるを得ないとき、従業員を解雇せず休業させた場合に賃金の一部を助成する制度です。
助成上限額は1人1日あたり8,870円と案内されています(2025年8月1日時点の記載)。
雇用を「維持するため」の制度なので、解雇を前提にした使い方はできません。苦しいときに人を守るための仕組みだと理解してください。
両立支援等助成金
両立支援等助成金は、育児休業や介護休業を取得しやすい職場環境を整えた事業主に支給される助成金です。

従業員の出産・育児・介護を支えながら働き続けてもらいたい個人事業主に向いています。
育休取得や職場復帰の実績が要件になるため、ひとり事業者には縁が薄い制度です。ただ、これから人を雇って長く働いてもらう前提なら、知っておいて損はありません。
ここまでが助成金。次は、個人事業主がもっと現実的に狙える補助金とよくある質問をまとめます。
よくある質問
相談現場で個人事業主から実際に聞かれることの多い質問に答えます。
よくある質問
最後に一言。補助金は「採択がゴール」ではなく「事業を前に進める手段」です。使い道が先、補助金は後。この順番を忘れなければ、ひとりの事業でも十分に味方にできます。
- 中小企業診断士による補助金解説(chushokigyo-support.or.jp)
- saisoncard.co.jp(助成金・補助金の違い解説)
- freelance-hub.jp(フリーランス・個人事業主の支援解説)
- 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」(chusho.meti.go.jp)
- sogyotecho.jp(個人事業主の給付金解説)
- store.canon.jp(中小企業の助成金解説)
- chushokigyo-support.or.jp(個人事業主の補助金・助成金解説)
- biz.moneyforward.com(個人事業主の確定申告・補助金基礎)
- sogyotecho.jp(個人事業主向け給付・支援解説)
- saisoncard.co.jp(助成金・補助金・給付金の違い)
