創業計画書の書き方で補助金審査を通過する5つのポイント

- 創業融資の『創業計画書』は日本政策金融公庫の書式(PDF版・Excel版)をダウンロードして使う。
- 補助金の『事業計画書』は、小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金など制度ごとに様式とページ制限が異なる。
- ものづくり補助金の事業計画書は全10ページ以内で作成する必要がある。
- 小規模事業者持続化補助金では『補助事業で行う事業名』を30文字以内で記入する。
- 創業計画書の『必要な資金と調達方法』は、必要資金の合計と調達資金の合計を一致させる必要がある。
創業計画書 書き方 補助金の結論

結論は、『補助金』と『創業融資』で書類名も制度も違うので、自分がどちらに出すのかを先に決めることです。
創業融資で提出する書類は『創業計画書』。日本政策金融公庫の書式をそのまま使います。一方、補助金で提出するのは『事業計画書』で、持続化補助金やものづくり補助金など制度ごとに様式が決まっています。
私が支援していて一番もったいないと感じるのは、融資用に作った創業計画書をそのまま補助金に流用してしまうケース。審査の観点がまるで違うので、ほぼ通りません。
この記事はこんな方におすすめ
これから創業融資か補助金に申請する予定で、何から書けばいいか分からない方に向けて書いています。

具体的には、公庫の創業融資を初めて使う方、小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金を検討している方、そして融資用の計画書を補助金に使い回そうとしている方。最後の方には、特に立ち止まってほしい内容です。
創業計画書は、公庫の創業融資に関連して使われる書類です。融資審査で重要な書類として扱われます。一方の補助金は別の枠組みなので、両者を分けて理解してもらうのがこの記事の目的です。
サマリー動画(約90秒)
書き方を動画で確認したい方は、公庫が用意している解説動画から入るのが手堅いです。
日本政策金融公庫の『創業計画の書き方』ページでは、書式のダウンロードに加えて、書き方を動画でも解説しています。文章だけだとイメージしづらい『創業の動機』や『事業の見通し』の書き方を、まず動画で全体像をつかんでから書式に取りかかると手が止まりにくいです。
正直に言うと、私は初めて書く方には先に動画を見てもらうよう勧めています。いきなり白紙のExcelに向かうより、完成形を頭に入れたほうが筆が進むからです。
導入:その事業計画書、補助金の審査員に「伝わって」いますか?

審査員に伝わる事業計画書とは、『誰が読んでも事業の中身と必要資金が一致して理解できる』計画書です。
補助金の事業計画書には、文章量に制限がない項目もあれば、厳しい字数制限のある項目もあります。小規模事業者持続化補助金では、文章量の制限がない項目がある一方で、事業名だけは30文字以内という制約があります。
私の経験上、落ちる計画書の多くは『熱意は伝わるが中身が読み取れない』タイプ。審査員は何十件も読むので、要点が30文字に収まらない事業名を見ると、それだけで整理されていない印象を持たれます。
補助金と事業計画書の基本を理解する
基本は、制度ごとに『様式』と『ページ数の制限』が決まっている、という点を押さえることです。

ものづくり補助金の事業計画書は、全10ページ以内で作成するよう案内されています。さらに企業概要は最大1ページ程度、ここまでの記載は2ページ以内に収めるよう求められています。
つまり、書きたいことを全部詰め込めばいいわけではない。限られたページに、審査で評価される情報を優先して配置する設計が必要です。
| 制度 | 書類名 | 主な様式・制限 |
|---|---|---|
| 創業融資(日本政策金融公庫) | 創業計画書 | PDF版・Excel版の書式をダウンロードして使用 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 経営計画・補助事業計画 | 事業名は30文字以内。文章量に制限のない項目もある |
| ものづくり補助金 | 事業計画書 | 全10ページ以内。企業概要は最大1ページ程度 |
そもそも補助金・助成金とは?融資との違い
補助金は『返済不要だが審査・採択がある』お金で、融資は『返済が必要だが計画が妥当なら借りられる』お金です。
創業融資の代表例が、日本政策金融公庫の『新規開業・スタートアップ支援資金』です。新たに事業を始める者、または事業開始後おおむね7年以内の者が対象で、融資限度額は最大7,200万円、そのうち運転資金は4,800万円までと案内されています。原則として無担保・無保証人で利用でき、一定の要件を満たすと金利の優遇を受けられます。
女性や若者・シニアなら、『女性、若者/シニア起業家支援資金』という選択肢もあります。女性、または35歳未満か55歳以上で、新たに事業を始める者・事業開始後おおむね7年以内の者が対象です。
私が現場で伝えているのは、補助金は『後から精算』が基本で、まず手元資金や融資で立て替える必要がある、ということ。返済不要という言葉だけで補助金に飛びつくと、資金繰りでつまずきます。
| 制度 | 対象 | 限度額・条件 |
|---|---|---|
| 新規開業・スタートアップ支援資金 | 新たに事業を始める者/事業開始後おおむね7年以内 | 最大7,200万円(うち運転資金4,800万円まで)。原則無担保・無保証人 |
| 女性、若者/シニア起業家支援資金 | 女性、または35歳未満か55歳以上で、新たに事業を始める者など | 上記同様の創業者向け支援資金 |
なぜ事業計画書が重要なのか?

事業計画書が重要なのは、審査でお金を出すかどうかを判断する根拠そのものだからです。
創業計画書は、融資審査において重要な書類として複数の解説で説明されています。創業者には実績がないため、計画書の説得力が判断材料の中心になります。
記入項目は、公庫の解説では『創業の動機』『経営者の略歴等』『取扱商品・サービス』『取引先・取引関係等』『従業員』『借入の状況』『必要な資金と調達方法』『事業の見通し』などが挙げられています。
この中で私が一番チェックするのが『必要な資金と調達方法』。ここで数字が合っていない計画書は、内容を読む前に印象が悪くなります。
補助金申請でよくある事業計画書の落とし穴
よくある落とし穴は、『必要資金と調達資金の合計が一致していない』『設備資金と運転資金が混ざっている』ことです。

創業計画書の『必要な資金と調達方法』では、必要な資金の合計額と調達資金の合計額を一致させる必要があると解説されています。さらに、設備資金と運転資金を分けて整理することが重要です。
ものづくり補助金では、『導入スケジュール』を設備ごとに記載するよう案内されています。設備の話と運転の話を混ぜて書くと、このスケジュール欄でも辻褄が合わなくなります。
ここまでできていれば正しい、という目安はシンプル。合計額が左右でピタリと一致し、設備資金と運転資金が別欄に分かれていることです。
「とりあえず書けばもらえる」という誤解
補助金は『出せばもらえる』ものではなく、審査を経て採択された人だけが受け取れる仕組みです。
小規模事業者持続化補助金では、経営計画・補助事業計画の書き方について、箇条書きで要点を整理する方法が案内されています。だらだらした文章ではなく、要点を構造化して見せる工夫が求められているわけです。
私が見てきた中で、白紙の様式をなんとなく埋めただけの申請はほぼ通っていません。前述のミラサポplusの案内のように、要点を箇条書きで整理する姿勢があるかどうかで、読みやすさが大きく変わります。
熱意先行で具体性に欠ける

熱意は必要条件ですが、それだけでは審査は通りません。数字とスケジュールで裏づけることが必要です。
創業計画書には『事業の見通し』の欄があります。ここを『頑張ります』『きっと売れます』で埋めても、根拠がなければ評価されません。
ものづくり補助金で設備ごとに導入スケジュールを書かせるのは、まさに『いつ・何を・どう実行するか』を具体で示させるためです。熱意は冒頭の『創業の動機』に込め、本論は数字とスケジュールで語る。この役割分担を私はいつも勧めています。
補助金の目的と事業内容のズレ
採択を分けるのは、補助金が掲げる目的と、自分の事業内容がきちんと噛み合っているかです。

小規模事業者持続化補助金で『補助事業で行う事業名』を30文字以内に絞らせるのは、補助の対象となる取り組みを明確に一言で言わせるためだと私は理解しています。事業名がぼやけている時点で、目的とのズレが疑われます。
対策はシンプルです。公募要領を先に読み、その補助金が何を後押ししたいのかを把握してから、自分の事業をその枠に正しく載せる。順番を逆にすると、目的と中身がズレた計画書になります。
よくある質問
創業計画書と補助金の事業計画書について、相談の現場でよく受ける質問をまとめます。
よくある質問
最後にひとつだけ。融資用の創業計画書をそのまま補助金に出すのは、私はおすすめしません。様式も審査観点も違うからです。まずは公庫の書式をダウンロードして手を動かし、補助金を狙うなら公募要領を先に読む。この順番で進めれば、少なくとも形式で落とされることはなくなります。
- 日本政策金融公庫「創業計画の書き方」
- 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(国民生活事業)」
- ミラサポplus「小規模事業者持続化補助金の経営計画・補助事業計画」
- ものづくり補助金エベレスト「事業計画書の書き方」
- トライズコンサルティング「創業融資のための事業計画書」
- 弥生「資金調達ナビ:創業計画書の書き方」
- 経理ドリブン「創業計画書の必要な資金と調達方法」
- 日本政策金融公庫「創業計画の書き方」
- 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(国民生活事業)」
- ミラサポplus「小規模事業者持続化補助金の経営計画・補助事業計画」
- ものづくり補助金エベレスト「事業計画書の書き方」
- 経理ドリブン「創業計画書の必要な資金と調達方法」
- トライズコンサルティング「創業融資のための事業計画書」
