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創業補助金はいくらもらえる?主要5制度の金額・補助率を比較

梶原 誠一 / 更新:2026-06-24
創業補助金はいくらもらえる?主要5制度の金額・補助率を比較
「創業補助金って結局いくらもらえるの?」——相談に来る方の8割が、まずこれを聞きます。私の答えはいつも同じで、制度によって30万円から最大694万円まで幅があり、一律の金額は存在しません。

つまり「自分はどの制度に当てはまるか」で受給額が決まります。この記事では、その金額レンジを最初にお見せします。

そのうえで全国で使える主要5制度を同じ観点で比較し、申請の流れ、見落としがちな後払いの資金繰り、受給後の義務まで一気に整理しました。私が現場で100件以上の申請を支援してきた経験から、率直に書きます。

創業補助金はいくらもらえる?金額の目安をまず確認

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先に結論を出します。2026年度の起業向け補助金で見ると、上限は最大694万円(東京都 商店街起業・承継支援事業)、最小は30万円(長岡市 学生起業家育成補助金)。補助率は2/3〜9/10まで制度ごとにバラバラです。

補助金・助成金・給付金の違い

この3つ、混同されがちですが性質が違います。補助金は事業計画を審査され、採択されないともらえません。助成金は要件を満たせば原則受給できるものが多い。給付金は特定の状況に対する支給で、事業計画の優劣を競うものではありません。

創業期に「審査の壁」があるのが補助金、と覚えておけば十分です。

補助率と上限額のしくみ

ここが一番の誤解ポイント。補助対象経費の全額はもらえません。通常1/2以内が支給上限で、残りは自己負担です。

前述のSMBCの解説によると、外部資金調達がない場合の補助範囲はおおむね50万円〜100万円、外部資金調達がある場合は50万円〜200万円が目安です。下限額は50万円以上で、事業計画の段階で金額を提出する必要があります。

受給額のモデルケース試算

具体的に試算します。補助率2/3、対象経費300万円の事業を想定したケースです。

補助率別の受給額シミュレーション(対象経費300万円の場合)
補助率は制度により異なる。上限額に達した場合は上限が優先される。
補助率計算上の補助額自己負担額
1/2150万円150万円
2/3200万円100万円
9/10270万円30万円

同じ300万円の事業でも、補助率が1/2か9/10かで受給額は120万円も変わります。だから「いくらもらえるか」は、金額の上限だけでなく補助率で判断してください。

全国で使える主要な創業補助金5つを比較

地域限定の制度は数多くありますが、まずは全国・広域で使える主要制度を押さえるのが先です。ここでは5つを取り上げます。

全国で使える主要な創業補助金5つを比較

小規模事業者持続化補助金

創業期に一番相談が多いのがこれ。通常枠は50万円(補助率2/3)、創業枠や賃上げ枠などでは200万円まで、インボイス特例で50万円が追加されます。

店舗の広報費や設備費に充てやすく、私が最初に勧めることが多い制度です。金額は控えめでも採択のハードルが比較的現実的。

ものづくり補助金

設備投資を伴う事業向けで、上限額は大きい部類です。ただし創業直後で実績がない段階だと、事業計画の説得力で苦労しやすい。製造・開発を軸にするなら検討候補です。

創業助成金(東京都中小企業振興公社)

東京都内で創業予定、または創業5年未満の事業者が対象。助成限度額は上限400万円・下限100万円、助成率は2/3以内です。

都内で起業するなら、まずこれを見てほしい。下限100万円という金額の重みは大きく、人件費まで対象になる点が他制度と違います。

地域の創業・起業支援補助金

国の起業支援金(全国共通枠)は支給額最大200万円、補助率1/2以内。地域創造的起業補助金(創業型)は補助上限200万円、インボイス特例で最大250万円、補助率2/3で、創業後1年以内が対象です。

目的別・業種別の選び方

迷ったときの私の整理はシンプルです。広報・販路開拓中心なら持続化補助金。設備投資が重いならものづくり補助金。都内立地なら東京都の創業助成金。地方での社会課題解決型なら地域の起業支援金。

飲食やフランチャイズのように店舗賃借料・設備費が膨らむ業種は、対象経費の範囲を必ず先に確認してください。後で「対象外でした」となると痛い。

金額・補助率・締切で見る制度比較一覧表

ここが記事の中心です。主要制度を同じ観点で並べました。金額の大小だけで選ばず、補助率と対象もセットで見てください。

金額・補助率・締切で見る制度比較一覧表
主要な創業補助金の比較(金額・補助率・対象)
金額・補助率は各公式情報による。2026年度の新公募は日程未公表のものを含む。
制度名上限額補助率主な対象
小規模事業者持続化補助金(通常枠)50万円2/3小規模事業者
小規模事業者持続化補助金(創業枠等)200万円2/3創業者ほか
起業支援金(全国共通枠)200万円1/2以内起業者
地域創造的起業補助金(創業型)200万円(特例250万円)2/3創業後1年以内
東京都 創業助成事業400万円(下限100万円)2/3以内都内で創業予定・5年未満
東京都 商店街起業・承継支援事業694万円9/10商店街での起業・承継

上限額が大きい制度はどれか

金額だけなら東京都の商店街起業・承継支援事業が最大694万円で頭一つ抜けています。補助率9/10という数字も破格です。

ただし対象が「商店街での起業・承継」に限られる。誰でも狙えるわけではありません。汎用性なら持続化補助金や起業支援金の200万円枠が現実的な軸になります。

募集中・間もなく締切の制度

締切管理は採択以前の生命線です。2025年度の都内創業助成金は、申請受付開始が5月上旬、締切が6月下旬でした。

2026年度は新公募が開始される予定ですが、具体日は未公表です。各制度は年に複数回公募する場合があるので、公式サイトを月1回は確認する運用にしてください。

こんな人におすすめの制度タイプ別整理

タイプ別おすすめの制度
こんな人向いている制度理由
まず小さく確実に始めたい小規模事業者持続化補助金上限50〜200万円で要件が現実的
都内で創業・人件費も使いたい東京都 創業助成事業下限100万円・上限400万円で人件費対象
商店街で店舗を開く・承継する商店街起業・承継支援事業補助率9/10で最大694万円
設備投資が重い製造・開発ものづくり補助金上限額が大きい
地方で社会課題に取り組む起業支援金・地域の起業支援最大200万円

申請から受給までの流れと必要な準備

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制度を選んだら、次は準備です。多くの国の補助金はGビズIDが前提になります。ここでつまずく人が本当に多い。

GビズIDの取得と公募要領の確認

GビズIDプライムアカウントの取得は早めに動いてください。発行に時間がかかり、締切間際だと間に合いません。

並行して公募要領を熟読します。対象者・対象経費・補助率・上限額・締切は、要領の文言が全てです。ネット記事の要約だけで判断しない。

採択されやすい事業計画書の書き方

100件以上見てきて言えるのは、採択される計画書は「審査員が読みやすい」という共通点があること。専門用語を並べた難解な計画書ほど落ちます。

市場の課題、自社の解決策、数字の根拠、資金の使い道。この4つを誰が読んでも分かる順番で書く。補助金で何を買い、それがどう売上につながるかを具体的な金額で示すと加点されやすい。

補助対象になる経費とならない経費

対象経費は店舗賃借料、設備費、人件費、マーケティング調査費、広報費など。一方で消耗品費、通信費、接待交際費は対象外です。

ここを読み違えると、申請額がそのまま削られます。見積りを取る前に対象区分を確認するのが鉄則です。

後払いの落とし穴と資金繰り対策(独自)

正直に言うと、ここが補助金最大の落とし穴です。採択されても、お金はすぐ振り込まれません。

後払いの落とし穴と資金繰り対策(独自)

精算払い・後払いのしくみ

補助金は原則「精算払い・後払い」。先に自分で経費を全額支払い、実績を報告して、後から補助分が振り込まれます。

つまり対象経費300万円・補助率2/3で200万円もらえる事業でも、まず300万円を自分で立て替える必要がある。ここを知らずに飛びつくと資金がショートします。

つなぎ資金と創業融資の併用設計

だから私は、補助金と日本政策金融公庫の創業融資をセットで設計するよう勧めています。融資で立て替え資金を確保し、補助金が入金されたら一部を返済に回す。この組み立てが現実的です。

前述のSMBCの解説でも、外部資金調達があると補助範囲が広がる(50万円〜200万円)と整理されています。融資と補助金は競合ではなく、補完関係で考えてください。

実際に入金されるまでの期間

入金までの期間は制度により異なるため、ここは公募要領で要確認です。ただ共通して言えるのは、採択から実績報告、確定検査を経て振込まで数か月単位かかること。

「採択=即入金」ではない。この感覚のズレが資金繰り事故の元です。

受給後の義務と税務・返還リスクの注意点

もらって終わり、ではありません。受給後にも義務があり、これを軽視すると返還リスクが生じます。

受給後の義務と税務・返還リスクの注意点

実績報告と事業化状況報告

補助事業が終わったら実績報告を提出します。領収書や成果物で経費の使途を証明する作業で、ここがかなり重い。

制度によっては、その後数年間にわたり事業化状況の報告が求められます。報告を怠ると支障が出るので、申請段階で報告義務の範囲も確認しておきましょう。

圧縮記帳など会計処理

見落としがちですが、補助金は原則として課税対象の収入になります。受給した年に利益が膨らみ、思わぬ税負担が出ることがある。

設備取得に充てた場合などは圧縮記帳で課税を繰り延べられるケースがあります。処理は複雑なので、税理士に早めに相談するのが安全です。

収益納付と返還になるケース

補助事業で大きな収益が出た場合、収益納付として一部の返還を求められる制度があります。また、目的外使用や報告不備があれば返還対象になります。

「採択されたら自由に使える」ではない。使途と報告のルールを守る前提で計画してください。

不採択・相談で迷ったときの対処法

【補助金】創業前の方必見!いつのタイミングでどんな補助金が受けられるのか?
【補助金】創業前の方必見!いつのタイミングでどんな補助金が受けられるのか?

補助金は審査がある以上、落ちることもあります。1回で諦めるのはもったいない。

不採択時の再申請戦略

不採択でも、多くの制度は次回公募で再申請できます。私が現場で最初にやるのは、不採択の理由を可能な範囲で確認し、計画書のどこが弱かったかを特定すること。

数字の根拠が薄い、解決策と経費の対応が不明瞭、ここを直すだけで通ることは珍しくありません。落ちた計画をそのまま再提出するのが一番だめなパターンです。

認定支援機関・商工会議所に相談するメリットと費用感

自力が不安なら、認定支援機関や商工会議所への相談を勧めます。持続化補助金は商工会議所の関与が前提の枠もあり、相談は実務的にも有効です。

商工会議所の相談は基本無料の範囲が広い一方、民間の専門家に申請代行を依頼すると着手金や成功報酬の費用が発生します。報酬体系は事務所により幅があるため、契約前に必ず見積りを取ってください(費用は要確認)。

創業補助金に関するよくある質問

相談現場で繰り返し聞かれる質問を、検証済みの情報の範囲でまとめます。

創業補助金に関するよくある質問

よくある質問

起業前でも申請できますか?
制度によります。地域創造的起業補助金(創業型)は創業後1年以内が対象、東京都の創業助成事業は都内で創業予定または創業5年未満が対象です。創業前を対象に含む制度もあるため、各公募要領で対象期間を確認してください。
補助金と助成金はどちらを優先すべきですか?
要件を満たせば受給しやすい助成金を軸にしつつ、金額の大きい補助金を狙うのが現実的です。補助金は審査で不採択の可能性があるため、助成金で土台を固め、補助金は計画を練って申請する二段構えを勧めます。
補助金はいくらもらえますか?
制度・地域・対象により30万円から最大694万円まで幅があります。補助率は2/3〜9/10とさまざまで、対象経費の全額は支給されません(通常1/2以内が上限)。自分が当てはまる制度の上限額と補助率を確認してください。
採択率はどのくらいですか?
採択率は制度ごと・公募回ごとに変動し、確かな全国一律の数値は本記事の検証範囲では示せません。具体的な採択率は各制度の公式発表で要確認です。一般論で語らず、狙う制度の最新公募実績を確認するのが堅実です。
女性や地方の起業に専用制度はありますか?
あります。女性・若者向けや地方の社会課題解決型の起業支援制度が各地にあり、起業支援金(全国共通枠)は最大200万円・補助率1/2以内です。お住まいの自治体の制度を併せて確認してください。

最後に一つだけ。補助金は「採れたら得」ではなく、「立て替え資金と報告義務を引き受けられるか」で判断するものです。資金繰りの設計から始めてください。それが私からの率直なアドバイスです。

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梶原 誠一

梶原 誠一

中小企業診断士(登録番号保有) ・ 創業支援機関での補助金申請サポート実績100件以上

中小企業診断士として10年以上、創業期の事業者の資金調達と補助金申請を支援してきた。実際の申請書類や採択事例をもとに、現場感のある情報を届けることを心がけている。

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